2024-01-01から1年間の記事一覧

二月の

争いが暮れた世界で 燕になって あなたの元へ 高く高く飛べないが 羽を広げ風に乗る 庭木の枝が枯れる頃 幼き日々の街をゆく 痩せたその背中は 枝の先の空へ向かう 二月の燕よ、枯れた声の優しさよ 二月の僕らよ、遠くへと飛び立てよ かすかに光るその目には…

なんにもない休日

晴れて青空になることも、雨音を聞くこともない木曜日の曇りの日。久しぶりになんの予定もない午後がやってきた。友達のことを考える。優しいきもちになった。あっという間に日が暮れそうになったから、次はなにをしようかと考えた。 ギターを弾きたくなった…

小雨

ベットに脱ぎ捨てられた白いブラウス 天井まで積み重なる本 継ぎ接ぎで作られたカーテン そこから漏れる小さな光 あなたが一番大切なものだと言っても あなたじゃなくなった途端に必要とされない 変わるものは小さな波になり、凪いでいる 違う人の影とわたし…

茨木のり子

朝起きて 涙がでてきた 朝起きて 細々としたわたしは あなたの詩と出会う 私は私の感受性が嫌になっています 跳ね除けても、避けても、どこからでもやってくる水のようにしなやかに、鉛のように重いその感覚は、私にしか見えなくて、誰かに伝えようものなら…

年末

2023の年末は、京都だった。 なんの計画もなく、車を走らせ、車中泊して辿り着いた。ドタバタと家を出たので、忘れ物がなんなのかもわからない。 こんなもんでしょう、とわたしがわたしを納得させるときは必ず少し足りない。後少しなのだ。大丈夫でしょ、っ…